映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「ドラゴン・タトゥーの女」

2009年度「週刊文春ベスト・ミステリー」第1位に選出された世界的ベストセラーで、本国スウェーデンで映画化された「ミレニアム」のリメイク。
オリジナル映画は3部作とも観ていて、大好きな映画。

そのため物語の大筋は知っているのだが、このデヴィッド・フィンチャー監督版も、また見応え十分の面白さ。

ハリウッド・リメイクなので、舞台をアメリカに移すのかと心配したが無用だった。
スウェーデンの寒々とした風景がピタリと物語にはまっている映像の魅力。

この物語の核であるパンクなハッカー役リスベットを演じるルーニー・マーラの魅力。

リスベットとジャーナリスト・ミカエルを交互に描きながら、テンポ良く進む、語り口の魅力。

こうした魅力があり、158分の時間があっという間。
ただし、原作を読んでいないひと、オリジナル映画を観ていないひとには、登場人物が整理できないまま終わってしまうのではないかという危惧がある。

3部作の「1」はミステリー編、「2」はアクション編、「3」は法廷サスペンス編で、すべてが的確に繋がり、”怒り”の主題が浮かび上がるという一級のミステリー3部作。
リスベットは、誰に媚びることなく、あくまで自己を貫き、男の暴力や権力に立ち向かうという本領を「2」以降に発揮していくのだ。
フィンチャー監督版の「2」も、今から期待している。