映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

1960年 「チャップリンの独裁者」に驚愕

<私の映画遍歴4 高校時代>

  ”笑って 笑って 笑い転げて
    そして・・・最後に感動の拍手を”
       (日本初公開時の宣伝文句)

チャールズ・チャップリンが製作・脚本・監督と主演を務め、ヒトラーを風刺したアメリカ映画「チャップリンの独裁者」。

1960年(昭和35年)の秋、映画が製作されてからなんと20年を経て日本では初めて公開されたのだ。
その時高校1年だった私は、この映画を観て、ものすごい衝撃を受けた。

この映画が作られたのは1940年。
日独伊三国同盟が結ばれた年。
なのにチャップリンは、ナチズムの脅威を予測して、その政策に批判を加えたシナリオに3か月をかけ、巨費を投じて、命がけで撮影したという。
あの時代に、こんなすごい映画を作るなんて!
ときは60年安保の時代だったこともあり、チャップリンの堂々とした権力批判精神に、驚愕した。

チャップリンヒトラーは同じ1889年4月生まれ。
それぞれの時代を担ったふたり。
”映画は時代を映す鏡”だ。
この時までチャップリン映画はテレビで短編コメディーしか観たことがなかったから、お笑いだけの人だと思っていた。
その後チャップリン映画の再上映再公開があり、「黄金狂時代」「街の灯」「モダン・タイムス」などを観て、改めて映画作家としてのチャップリンの偉大さを知った。
同時代リアルタイムで観たかった映画人のひとり。

                                        <続く>