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日経新聞朝刊「私の履歴書」、今日5月1日からは、95歳の現役映画監督 新藤兼人が登場。
(右のチラシは監督最新作)
私が新藤兼人の名前を知ったのは、中学時代に観た映画「第五福竜丸」(58年)。
有名なビキニ環礁の被爆事件を正面から見つめた問題作である。
あの原爆実験の閃光「その場面」に息をのんだ。
当時はまだ日本映画全盛で映画製作は大手映画会社が製作していた時代に、独立プロダクション「近代映画協会」の自主製作作品。
銀行は資金を貸してくれず、数人の親しい個人から借りて、スタッフは無報酬で作りあげた。
撮影終了時には、旅館代も払えなかったという。
次の監督作品「裸の島」(60年)には、素直に感動した。
セリフがない映画。ただ黙々と働く夫婦(殿山泰司・乙羽信子)。
働くだけの厳しい状況にセリフはいらない。
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映像詩という言葉がぴったりで、林光の音楽はいまでも旋律が浮かんでくる。
この映画なんと十数名のスタッフが民家で寝泊りしながら作ったという。
とにかく新藤監督の映画作りの執念はすさまじい。
この作品がモスクワ映画祭でグランプリ受賞して、日本では売れなかった作品が海外で買ってくれて、これまでの借金を返すことが出来たそうだ。
「私の履歴書」で、これから記載されると予想される 溝口健二監督との出会い、生涯のパートナー乙羽信子、近代映画協会設立の経緯、95歳でも現役監督&脚本家である老人力など、明日からも連載が楽しみだ。