映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

【画像:38726.jpg】

今年のカンヌ国際映画祭は、松本人志の初監督作品登場、北野武監督のちょんまげ姿、河瀬直美監督の受賞(「殯の森」)と話題の多かった映画祭となったが、もう一本の上映作品がこの映画。



JALのテレビCM「カードで払いたい」(三谷幸喜出演)などを作っているベテランCMディレクター吉田大八の長編映画初監督作品。



女優になりたい姉に佐藤江梨子

その陰に怯えながらも、したたかな妹に佐津川愛美

長男に永瀬正敏、その嫁に永作博美

という個性豊かな4人がくりひろげるブラック・ユーモア

それぞれが勝手に、悪意や自我を露出しながら話は展開する。

これが実に面白い。



 「やっぱお姉ちゃんは、最高に面白いよ。」



原作は、自身の劇団「劇団、本谷有希子」を率いる本谷有希子の戯曲。

なるほど家族4人家のなかでの展開はいかにも戯曲だが、映画のほうは田舎の風景が話に溶け込み映像的にも「下妻物語」風に凝っていて、さすがにCMディレクターという場面が随所にある。



ハリウッド米映画が、続編物やリメーク物が多くテーマがワンパターンで飽きられている現状にあって、ジャンルが多彩で演出が細やかな日本映画は依然好調だ。