映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

ヒッチコックのこれ1本「裏窓」


前回書いた「世界の映画監督250人」のなかで、アルフレッド・ヒッチコック監督の解説は、

 ”独自の作劇を開発したサスペンス映画の神様。”
 ”「レベッカ」「救命艇」「白い恐怖」「裏窓」「サイコ」とアカデミー監督賞候補5回だが、無冠。”
 ”ヒロインとしてブロンド女性を好み、劇中に監督本人がワンポイントで顔出しする。”

「特に重要な作品」1本に選ばれた作品は、「裏窓」(54年)である。
私も大好きな作品であるし、最もヒッチコックらしい作品といえば、やはりこれ。

足を骨折し身動きできない主人公(ジェームズ・スチュアート)だから、観客と同じ立場におかれる。
カメラはこのアパートの一室から動かない。
覗き見という世界。彼は外部で起きていることを自分で確認できないという設定がおりなすサスペンス、そしてユーモアも。

ブロンド美女のグレイス・ケリーが殺人者の部屋に侵入するくだりは、ハラハラ、ドキドキ。
殺人を扱っても死体は出てこない。
このヒッチコック独自の作劇が見事。

まさに映画の魔術師と呼べる1本。