小学生のときに熱狂した東映時代劇。
中学生時代に毎週観ていた日活アクション映画。
日本映画全盛時代の映画はワイドスクリーン(シネスコ版)だった。
これは、もちろん振興してきたテレビの対抗策。
ワイド画面に波と岩、そこに「東映」のタイトルがなつかしい。
高倉健や藤純子の任侠シリーズ、「仁義なき戦い」シリーズなど、ワイドスクリーン狭しと動きまくる迫力を抜きにしては語れない。
小林旭の渡り鳥シリーズはあのワイドスクリーン一杯に広がる自然をバックに主題歌が流れてこそ、日活映画だった。
だがいまや日本映画はワイドスクリーン版よりは、ビスタサイズ版のほうが多い。
それは、現在日本映画製作がテレビ各社が完全に主導権を握ってしまったからだ。
いまヒット上映中の「アンフェア the movie」もテレビ会社の企画作品。
当然テレビ放映を念頭におけばビスタ版が望ましいから、劇場版映画はビスタサイズで作られる。
ハリウッドでは映画製作は映画会社自らが作っている。したがってテレビ会社は競争相手となるのでテレビに対抗してワイドスクリーン版で作るのが常識。
日本では、映画会社がプロパーで映画製作した作品は、昨年1年間では松竹映画「釣りバカ日誌」シリーズだけとなった。
日本映画界は、テレビ会社など複数の会社が集まってのプロジェクト製作方式がすっかり定着。
テレビ会社と共存しながら日本映画を盛り立てているのだ。