映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「男はつらいよ」4Kデジタル修復版

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27年間で48作。
世界最長の映画シリーズとしてギネス認定。
国民的映画となった「男はつらいよ」シリーズ。

その誕生50周年プロジェクトによって2年をかけて完成した「4Kデジタル修復版」が、BSテレビ東京で毎週土曜日に放映中である。

この機会にと、第1作目から見続けていて、先週は25作目が放映された。あっという間に後半戦に。
とらやでの日常と放浪の旅の繰り返しの設定なのだが、何度観ても全く飽きない。
笑えて泣ける、そして心を揺り動かされてしまう。

マドンナといえば、
やはり、リリー(浅丘ルリ子)と歌子(吉永小百合)。
松竹映画なのに、二人とも日活映画の女優。
1971年に日活はロマンポルノ路線がスタートしたため、日活映画のスターたちはフリーになって、松竹映画に出演できるようになった。
ロマンポルノ路線を外れた日活の二大女優が「男はつらいよ」シリーズを大きく支えることとなったのである。

 

写真は第28作公開当時(1981年)のパンフレット。付録がカレンダーだったので購入。

 

 

日活映画黄金時代の美女たち

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日本映画の黄金時代、あこがれの女優は吉永小百合さん。
私と同年代で、高校生時代に主役だった映画「ガラスの中の少女」「キューポラのある街」や「若い人」など彼女のセーラー服姿が同じ高校生当時まぶしかった。

コロナ禍の影響で自宅にいることが多いので、ネット有料動画配信で1960年代前半の日活主演作を多く観て、青春時代にタイムスリップしている。
今観ても、彼女は可憐で美しい!

日活映画の50年代作品も、なつかしい。
川島雄三監督「銀座二十四帖」(1955年)は、小学生のとき観ているのだが内容は忘れていた。
森繫久彌の滑稽味あるナレーションと「銀座の雀」の歌ではじまり、当時の銀座風景は貴重な記録だろう。
颯爽たる現代娘姿の北原三枝が美しい。
子役で浅丘ルリ子がでてきて、可愛さにびっくり。

同じ川島雄三監督「風船」(1956年)では日活美女がズラリ。
新珠三千代北原三枝左幸子芦川いづみが、それぞれ個性を出しての名演技です。
特に芦川いづみさん、みずみずしい美しさです。

なつかしの日活黄金時代の映画に、今ハマっています。

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公開当時の新聞広告

 

追悼エンニオ・モリコーネ

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イタリア映画「ニュー・シネマ・パラダイス」の音楽を作曲したことで有名なエンニオ・モリコーネさんが亡くなった。
91歳だった。
60年代から映画音楽の作曲を始め、セルジオ・レオーネ監督をはじめ、ジュゼッペ・トルナトーレブライアン・デ・パルマクエンティン・タランティーノなど多くの監督と手を組んで多彩な素晴らしい音楽を残したひと。

大学生のころ、最初に聴いて、思わず唸った映画音楽は、「荒野の用心棒」。
口笛に軽快なリズム、鐘の音にムチの音、ギターが、コーラスが被る。

音楽からも新しい西部劇映画の誕生だ。
以後マカロニウエスタン映画は、このモリコーネ音楽が欠かせないものとなった。

私が大好きなモリコーネ音楽5作は、
「続・夕陽のガンマン
「ウエスタン Once Upon a Time in The West 」
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
「ミッション」
ニュー・シネマ・パラダイス

この5作と代表作も聴ける珠玉のCDが、
ヨーヨー・マ  プレイズ・モリコーネ」(写真上)。
ヨーヨー・マのチェロにのせて美しいメロディーを
たっぷりと堪能できます。

サントラ盤音楽と映像を楽しむなら、Youtubeで、これがおススメ。

www.youtube.com

 「ウエスタン Once Upon a Time in The West 」

美しいメロディーに、女性ソプラノハミングとハーモニカ演奏が効果的に使われている。クラウディア・カルディナーレの美しき瞳にも、乾杯!

 

「日本沈没」1973年版

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私が大学生のころ、「SF御三家」と呼ばれた小松左京星新一筒井康隆に夢中だった。
兄が購読していた雑誌「SFマガジン」は長く愛読雑誌だった。
特に小松左京は、64年長編第1作の「日本アパッチ族」からファンになり、「復活の日」「エスパイ」「果しなき流れの果に」と新刊を読み続けていた。

小松左京の代表作のひとつ「日本沈没」は2度も映画化されたのだが、映画より小説のほうが断然面白いはずだ、と勝手に決めていて、いずれの映画も未見であった。
新型コロナの影響もあって、再び「日本沈没」が注目されている。

そんなわけで、ネット動画配信で1973年版を観た。
面白い。昔読んだ小説の興奮が蘇る。

科学者にとって必要なものは何か?と問われて田所博士(小林桂樹)は、”「感」です。”と答える。科学というものの奥深さ。
国家危機的状況下でこそ試される総理(丹波哲郎)の力量。

骨太で速いテンポでぐいぐい引っ張る森谷司郎監督、しっかりした構成の橋本忍脚本だけあって、今の時代に観ても見ごたえがあった。

なお、湯浅政明監督によるオリジナルアニメ「日本沈没2020」が、来週7月9日 Netflixにて全世界独占配信される。

 

 



 

定額制動画配信を楽しむ

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新型コロナウイルスにより外出自粛のいま、自宅で気軽に映画が楽しめるネット有料動画配信。

動画配信といえば、第91回アカデミー賞で監督賞、外国語映画賞、撮影賞を獲得した「ROME/ローマ」で話題となったNetflix
この映画史を塗り替えた作品で、一躍動画配信の底力を見せつけられ、映画は映画館で観るものという常識すら変革したようだ。
動画配信の人気を世界的なものにしたNetflixの総会員数は1億8200万人という。
定額見放題(ベーシック800円)という視聴スタイルで、豊富なオリジナル作品もも圧倒的のようだ。

私が会員なのは、Amazon Prime Video。
Amazon Prime会員(月額500円)になると追加料金なしで見放題と都度課金のレンタル視聴ができる。

見放題では、「マルタの鷹」「ワンスアポンアタイム・イン・アメリカ」「キューポラのある街」など多数視聴。
課金レンタル(500円)では、話題の「パラサイト 半地下の家族」も視聴できた。
追加チャンネルも豊富なので、しばらく眼が離せない。

 

 

映画館経営の危機

緊急事態宣言の全面解除。

やっと関西や東京を除く近隣県等での映画館が再開した。
再開した様子の情報といえば、館内はガラガラだそうだ。
満席となっても前後左右の座席を空けての最大50%。
これでは新作の上映が危ぶまれるのも当然だろう。

特に、ミニシアターが経営危機に陥っているという。
わずかな打開の取り組みもあるようだが、心配は尽きない。
何としてもミニシアターは継続してもらいたい。

政府には、文化にもっと援助施策をと切に望む。

予備費は潤沢にある!

 

何度も繰り返し観てしまう映画

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DVDやBDが普及しWOWOW録画が可能になってから、同じ映画を何回も観ることがある。
どうして何回も観てしまうのだろうか?

これまで10回以上観ている映画は、
駅馬車」1939年 ジョン・フォード監督
「裏窓」 1954年 アルフレッド・ヒッチコック監督
彼岸花」1958年 小津安二郎監督
北北西に進路を取れ」1959年 アルフレッド・ヒッチコック監督
「サイコ」1960年 アルフレッド・ヒッチコック監督 

飽きずに観れるこれらの作品に共通していることは、何より面白いストーリーの脚本が優れ、それを緻密な演出と的確なカメラワークが支え、かつ役者のキャラが輝いているということではないか。
 
駅馬車」は、ビデオ全盛時代から一番多く観ている作品。
サラリーマン時代に、仕事疲れなど特に落ち込んだ時に観ると気持ちがスカッとして、また明日から頑張れるという私の特効薬だった。
ストレスがなくなった退職後はあまり観ていないが、やはり胸躍る西部劇で、また観たくなる。

彼岸花」は、小津初のカラー作品だ。
赤を配した色彩設計と美しい山本富士子の着物姿を観ているだけで幸せな気持ちになる。
ユーモアと格調、佐分利信演ずる父親像は何度見ても飽きない。
定年退職後は小津監督作品を繰り返し観るようになった。

天才監督ヒッチコック作品が3本。
一番好きな監督で、観るたびに新たな発見がある。
計算尽くされた展開で、観ている間止まない緊張感やサスペンス感が
たまらなく良い。
映画ファンを唸らせる職人芸の味わいも楽しめるので、何度も観たくなる。