映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

ビリー・ワイルダー監督第5作「皇帝円舞曲」

ユダヤ人だったビリー・ワイルダーは、大戦終了直後にベルリンを訪れ、家族がアウシュヴィッツで虐殺されたことを確信したという。

ワイルダー監督戦後最初の作品が、深刻な内容ではなく明るく楽しい作品を選んだ気持ちもわかる気がする。
日本でも木下恵介監督が戦争が終わったら明るく楽しい青春映画を撮りたいと切望していて1946年「わが恋せし乙女」を作ったように。

皇帝円舞曲」(1948年)は、20世紀初めのオーストリアが舞台のミュージカル作品。
主演は、「ホワイト・クリスマス」などの数々のヒット曲を世に出しミュージカル映画にも多数出演し人気のビング・クロスビー
やはり彼の歌声はこの映画でも聴きごたえ十分。

共演は、1941年にヒッチコック監督「断崖」でアカデミー主演女優賞を受賞していたジョーン・フォンテイン
彼女の美しさはワイルダー監督初のカラー映画で引き立つ。

他にも犬の演技が見どころ。
この映画ポスター下部の写真を見れば、連想できますね。

後に「ミュージカルを作る才能がない」と語ったとおりワイルダーにとって唯一のミュージカル映画となった。