映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」

東陽一監督というのは、役者を使うのが上手で、
「サード」での永島敏行、
「もう頬づえはつかない」の桃井かおり
ふたりの演技は特筆ものだった。
この二作品はもう30年以上も前の映画。
ということは、監督は、もう76歳。
今回もまた、主演の浅野忠信永作博美が、とてもいい。
老いても、東陽一監督は健在だ。

アルコール依存症という暗いテーマであるが、そこそこユーモアも交え、正攻法で温かく”家族の絆”を描いて、素直に感動した。
安行(浅野忠信)を助ける元妻(永作博美)のさりげない笑顔や、「まだ、死なないよ」と肝が据わった一言、安行に「おとしゃん」と飛びつく娘の場面など、アルコール依存症を克服するには家族の支えがいかに大切かをさりげなくうまく捉えていた。

元妻は、人気漫画家・西原理恵子がモデル。
過去の西原・原作もので、私のお気に入り映画
「女の子ものがたり」、
「パーマネント野ばら」
と、映画は同じテイストなのだ。
いずれも痛みと再生の物語だが、とても優しい映画で、心に沁みた。
ヒロインの深津絵里菅野美穂、今回の永作博美の美しさ!

そういえば、「パーマネント野ばら」の素晴らしいラストシーンも海だった。