キャッチコピーにあるように 舞台は1945年の架空都市・帝都。 「トンネルを抜けると、そこは雪国だった」と同様に、現実世界と一線を画す世界を描くときのお約束が、うまい。 財閥のお嬢様が、現実社会に目覚めていく物語展開も悪くない。 そのお嬢様役に松たか子がピタリはまっていた。 舞台・テレビでは代表作も多いが、映画ではこれまで「隠し剣 鬼の爪」ぐらいしか代表作のがなかったのだが、この作品は松たか子の代表作のひとつとなるだろう。 個人的には少年探偵団の活躍をもっと見たかったが、正直あまり期待しないで観たので、十分楽しめた。
”怪人二十面相は誰だ!?”
が最後まで観客の興味をつないでいた。
監督・脚本が『アンフェア the movie』など逆転また逆転の脚本家である佐藤嗣麻子だから、最後まで眼が離せない。
この帝都を俯瞰撮影する冒頭場面で一気に不思議な世界へといざなう。
「ALWAYS 三丁目の夕日」の特撮スタッフ”白組”が、新しい乱歩ワールドの風景を創りだしていて、大きな見どころとなっている。
帝都建物の谷間で、バットマンばりの飛翔もあるぞ。