映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

ビリー・ワイルダー監督第3作「深夜の告白」

「深夜の告白」(1944)は、映画の新たなスタイル=フィルム・ノワールの古典である。

原題の”DoubleIndemnity”は「倍額保障」という保険用語。
倍額となる保険金を目当てに殺人を犯す男女の物語。

映画は負傷状態で深夜オフィスに入ってきた保険会社の敏腕外交員ネフ(フレッド・マクマレイ)の告白で始まる。
邦題を「深夜の告白」としたのも納得。
主人公のナレーションで始まる展開は、死体が語る「サンセット大通り」でも有効に使用されていた。

物語は、ファム・ファタールである保険契約者の妻(バーバラ・スタンウィック)との不倫関係、保険会社でネフの同僚バートン・キーズ(エドワード・G・ロビンソン)との友情を核に展開する。
殺人をからんでファム・ファタールと男の友情・・
まさにフィルム・ノワールの典型である。

ネフとバートン二人の友情は、マッチの小道具を使ったラストシーンで昇華し心地よい余韻を残す。

今観ても色あせないビリー・ワイルダー監督作傑作の1本。