昨年の「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位に輝いた世界的ベストセラーの映画化。
壮大な3部作である。
もう待ちきれずに、「3」を映画館で観てきた。ミステリー映画には少々うるさい私にも、期待どおりの出来栄えでストーリーが完結し、大満足。小さな身体に、鼻ピアス、背にはドラゴンタトゥーの女リスベット。
このキャラが際立つ魅力。今回は、さらに過激で、鋲と黒革のパンク・ファッションに逆立てた髪型で法廷に現れる。
これが、ぞくぞくする。
”いざ、決戦!”
巨悪、女性蔑視や虐待する男たちに復讐するための戦闘服なのだ。誰に媚びることなく、あくまで自己を貫くリスベットの姿勢に、喝采。
最後の最後まで、恩人ミカエルにさえ妥協を許さない。
甘いラブ・ロマンスに終わらせないところに、首尾一貫した”怒り”の主題をみた。「1」はミステリー編、「2」はアクション編、「3」は法廷サスペンス編で、
すべてが的確に繋がり、主題が浮かび上がるという一級のミステリー映画。めずらしいスウェーデン映画だが、ハリウッド・リメイクもうなずける好題材なので、こちらも期待できそう。