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前作の「パッチギ!」(05年)は、在日を描き、テーマ曲の「イムジン河」がかつての放送禁止時代を想い起こさせ、若者のエネルギーを爆発させた青春映画の傑作だった
(キネマ旬報ベストテン第1位)。
この頃から日本映画作家達が独特の熱をもって走り続け、今日の邦画優位を牽引した作品のひとつとなった。
本作は、その「パッチギ!」の続編で、キャストを一新し、舞台は68年京都から74年の東京に移している。
前作に登場したアンソンとキョンジャの兄妹を軸に、幼い息子の命を守りたい家族や仲間たちの姿を描く。
今回もテーマ音楽が流れ、パッチギ(頭突き)あり、激しい喧嘩ありと、何でもありの、ごった煮映画だ。
密輸犯罪やテレビ・映画業界も描かれているが、今回特に戦争を喧嘩とダブらせているところが井筒和幸監督の狙い。
オーデションで選ばれたキョンジャ役の中村ゆりは、熱演だが前作の沢尻エリカが強烈な印象だっただけに、厳しい役回り。
どうしても前作と比較してしまう運命にあるが、そこそこ笑え、個性派監督のメッセージもそれなりに伝わってくる。
続編として観ない方がいいかもしれない。