アカデミー賞8部門ノミネートの話題作。
アカデミー主演男優賞は、いまや実在の人物を演じないと受賞できない?ほどだが、受賞は逃したもののベネディクト・カンバーバッチが実在の人物の苦悩を熱演して見応えがある。
第2次世界大戦時、ドイツの世界最強の暗号エニグマを解き明かした天才数学者アラン・チューリングの波乱の人生を描く。
劣勢だったイギリスの勝利に貢献し、その後コンピューターの概念を創造した英雄なのだが・・・。
いくら戦時中のトップシークレットだったとはいえ、これが実話で、その事実が最近になって明かされたということに、驚き。
こうした事実を公表し故人の名誉を回復させるというイギリス政府の勇断も讃えたい。
暗号エニグマを解き明かしたとき、チューリングがとったある”決断”が勝利に導くあたり、ドラマの見せどころも十分。
チューリングの心の支えとなるパズルの天才ジョーンを演じたキーラ・ナイトレイも、アカデミー助演女優賞を逃したが、十年早い女性の個性をだしていた。
監督は、ハリウッド注目のノルウエーの新鋭モルテン・ティルドゥム。
今後も要チェックだ。