映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「ハンナ・アーレント」

ドイツ系ユダヤ人の著名な哲学者ハンナ(バルバラ・スコヴァ)は、ナチス強制収容所移送の責任者だったアイヒマンの裁判を傍聴する。
だが、彼は”ただの役人”だった。
彼女が発表した傍聴記事は、ユダヤ人社会から激しいバッシングを受け・・。

「悪」とは何か?
深く真実を探るハンナの不屈の姿勢に感動した。
女性監督マルガレーテ・フォン・トロッタが冷静に描く。

”本当の悪は、平凡な人間が行う悪よ”
テレビのニュースでは、白か黒か紋切り型の報道が多く、それに慣らされてしまって真実を探す努力すらしなくなった我々に突きつけられる警鐘。
誰もが異論のないような真実に対する疑問符を投げかける彼女の大学での講義を受講できた感激でいっぱいだ。

そして、現在行われているオーム事件の刑事裁判がダブってみえてくる。