映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」

9.11同時多発テロで父(トム・ハンクス)を失った少年の成長の物語。

対人関係がうまくいかない少年を演じるトーマス・ホーンは、映画初出演とは思えぬ素晴らしさ。
旅のプランを練る時に見せる知的で輝く眼、と
タンバリンを鳴らしながら歩く不安な眼、
二つの場面がまるで別人のようにみせる演技には脱帽だ。
ラストの眼の輝きにも注目だ。

なるほど、「リトル・ダンサー」「愛を読むひと」でも少年の心をみごとに描いたスティーヴン・ダルドリー監督作品と、納得。

「父と子の映画」であるとともに、「母の映画」でもあった。
母(サンドラ・ブロック)は、その喪失感から立ち直れるのか・・
この最後のエピソードには、感動した。

映画館で入場券を買う時に、窓口で「ものすごく・・・、長い題名の・・」と言ってしまい、とっさに題名を正しく言えずに困った。
でも、昨今つまらない邦題が氾濫するなか、これは奇抜というか異色の邦題だ。
原題は「Extremely Loud and Incredibly Close」なので、その直訳で、全米ベストセラー小説だという。既に日本でも同じタイトルで邦訳の小説が発売済みなので、そのまま映画の邦題にも使っただけだった。
久しぶりにインパクトのある映画邦題と思って感心したのは、ハヤトチリだった。