映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「ザ・タウン」

この題名、日本人にはピンとこない邦題だ。
ボストン北東部で、”タウン”と呼ばれる犯罪多発地域を指す。
ひと昔前なら「犯罪の町」とでもいった邦題になっただろう。
親から子へと強盗稼業が受け継がれる町。
主人公ダグ(ベン・アフレック)が、その町から抜け出せるのかというのが話の展開。

ベン・アフレックが監督、脚本、主演をこなしている。
クリント・イーストウッドの後継者ともいわれているようだが、なるほど渋い俳優陣やアクション場面の映像処理など巧みな演出で、映画ファンをうならせる。

テンポ良く、迫力あり、面白い。
銀行強盗場面だけでも、この映画を観る価値十分。

ただ、ヒロインのクレア(レベッカ・ホール)の人間味が乏しいのが、残念。
ちっとも銀行支店長にはみえないし、心の変化がいまひとつ伝わってこない。
弟分のジェム(ジェレミー・レナー)をはじめ、仲間やボスの存在感、人物描写がいいだけに、惜しい。

”傑作”となりえたが、もったいない。