映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「グラン・トリノ」


クリント・イーストウッド監督作品には、これまで
期待を裏切られたことがない。
今回もまた、前向きな人間行動に深く感動。


この映画のキーワードは、いくつかある。


70年代の名車「グラン・トリノ
身を守る「拳銃」
イエローの紋章付き「ライター」
これらの小道具が伏線となったり、見せる映像として
の機能を果たしたりして、ドラマを深いものにしている。


そして、「人種差別」
この映画の骨格であり、ひんぱんにでてくる差別会話がユーモアを誘い、暗くなりがちなドラマをひきたてる。


最後は「老い」。
夕陽のガンマンもダーティー・ハリーを演じた彼も、いまや78歳。

悪を倒すために拳銃の使い方を変えることを長い人生経験から生み出した愛すべきニュー・ヒーロー。
その演技は、”俳優としては最後の作品”というにふさわしい仕事だった。

 

エンドロールは、走るグラン・トリノにかぶせて、自ら歌う曲がさわやかで、感動の余韻にひたる時間をすごすためにも、最後まで席をたてない。