映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「イキガミ」

戦時下の召集令状赤紙」に対し、
こちらは死亡予告書「逝紙(イキガミ)」。


国家繁栄維持法という法律があるという現代日本が舞台の同名コミックの映画化。

イキガミが来た3人の若者たちの人生最後の24時間を描く。

 

SFというかシュミレーションドラマの設定なのだが、
現実味あふれるドラマ作りに感心した。
コミックは未読(読みたくなった)。

 

3人の若者たちの行動は先が読めそうな展開であるが、
最初からぐんぐん話しに引き込まれ、いつしか死とか法律とかを考えさせられて、空想が広がっていくから不思議だ。

この映画を観た観客が生の尊さや死というものを考えさせられるということは、とんでもないと思えた国家繁栄維持法の立法趣旨そのものだった、ということに気づいたとき、強烈なパラドックスに唖然とした。

 

監督は、前作「犯人に告ぐ」でもテンポよく緊張感を持続していた 瀧本智行
上出来の意欲作だ。

 

最近の日本映画の好調ぶりを示す1本。