映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「はやぶさ 遥かなる帰還」

日本中を沸かしたイベントや事件の映画化は大ヒットする可能性が高い。

市川崑監督の「東京オリンピック」記録映画は空前の大ヒットだったし、南極越冬隊員と残された犬との物語「南極物語」は長らく日本映画興業記録第1位だった。

昨年、奇跡の小惑星探査機「はやぶさ」の帰還という震災後の明るい話題に日本中が沸いたから、これを映画化しないわけがない。
それが、なんと4作品も製作されたというから、驚き。
プラネタリウム用劇場公開向けドキュメンタリー版、竹内結子主演版、藤原竜也主演の3D版、本作の合計4作品。

本作は、プロジェクトマネジャーの教授(渡辺謙)を中心に描く。
”日本の男は、あきらめない。”というキャッチコピーどおりの男を熱演して、国民映画にふさわしい風格だ。

私は”はやぶさ映画”は、はじめて観たので、はやぶさの機能やトラブルの内容など映画でわかりやすく説明されたので、興味を繋げた。
ベテラン西岡琢也脚本により、物語は正攻法に語られ、周囲の人物像もほどよく描かれていて、2時間を超えても飽きることがない。それなりに楽しめた。

クライマックスである「はやぶさ」の帰還シーンは、素晴らしい辻井伸行の音楽にのせて素直に感激した。
がぜん、プラネタリウム版映画も観たくなった。

総じて味わい深いという作品ではないが、このようなわかりやすい映画こそ「はやぶさ」帰還の感動体験を共有できるという”国民映画”なのだろう。