映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「サマーウォーズ」


   "「つながり」こそが、
      ボクらの武器。”

 

前作の「時をかける少女」に感激したので、次回作が待ち遠しかった細田守監督の最新作アニメ。


この「サマーウォーズ」は、前作を上回る傑作だ!
今年これまで観た私が選ぶ映画ベスト1作品。

 

「夏休み」といえば、

「ふるさとでお盆」、「甲子園」そして「終戦記念日」。


まさに高校野球を見ながら家族と戦争を描くという夏休みの映画。
だから、「サマーウォーズ」は、この夏にぜひ観てほしい。

大人にも、子供にも、あらゆる世代の人が共感すること請け合い。

 

パソコン世界にある仮想空間OZ(オズ)には、世界中の人々がアバター(分身)として住む仮想都市があるというオープニングから、観客は一気に映像世界へと、まっしぐら。
その鉄壁のセキュリティーの鍵を開けてしまった数学オタクの少年が主人公(神木隆之介)。


舞台は信州上田の旧家。

この田舎の風景、夏の入道雲、大家族といった景色が、「日本の夏」をアニメで丁寧に表現していてなつかしい。
都会の少年には、この家は「すご−く広い」し、、縁側、広く長い廊下、中庭は「無駄が多い」と言ってしまう。そうなのだ、日本家屋は冬の防寒対策よりも夏をいかに快適に過ごせるかを最優先して建築設計されているのが、少年には分かっていない。
だが、コンピューターや数学の世界は良く分かっているぞ。

 

旧家の当主は、90歳のあばあちゃん(富司純子)。
戦争が始まるや、
「身内がしでかした間違えは、一家でカタをつけるよ!」と、
このおばあちゃんの活躍もお見事。

 

このように、旧家と仮想都市、現実と仮想の対比や若者とお年寄り、新旧世代の対比、ついでに、バーチャル・アクション・ゲームと花札という新旧ゲームの対比も含め、

いろいろな場面で、この対比が絶妙の構成で展開する。

 

飽きることなく画面に引きずり込まれ、アニメならではの映像表現に堪能し、最後には、世代を超えた家族の「つながり」を感じながら、
いい映画を観たな〜と、すがすがしい気分で

家に帰ることができる映画館でのお盆夏休み(都会育ちの私には帰る田舎がない)であった。