映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「チェンジリング」


現役の映画監督のなかで最も優れた一人を選べ
と言われたら、私はためらいなく、
クリント・イーストウッド監督をあげる。

 

78歳となる監督の「チェンジリング」は、"true story" 。

 

内容は、息子の失踪、殺人事件、警察の腐敗と、暗く重いが、テーマは”希望”。


主人公はシングルマザー。
これをアンジェリーナ・ジョリーが熱演。

 

画面は、「硫黄島からの手紙」同様に色調を抑えたもの。
今回は、不況下にある時代と主人公の心情を反映させた暗い青色の色調が、ぴったりとはまる。
映画は、描く年代がタイトルで示されながら淡々と展開するが、技巧をこらさず描くこの正攻法がいい。
緊張感が持続した的確なカットの連続で、主人公の心情に迫っていく。

映画というものを完璧なまでに掌握して、映画でしか表現できない語り口に、

また脱帽する。

 

主人公の姿は、観る者の魂をゆさぶる。

いい映画を観た。