"完璧な贋札。 見逃していた作品を再上映館で観た。 映画は淡々と描く。 それが、かえって男の本性を抉りだして、単なる悲劇の歴史ドラマとして終わらせていない。 ラストのタンゴを踊るシーンがそうした想いをうまく出して、観るものに感動を与える。 現在も健在という作者が実録本を書き、事件証拠も発見されて事実が明らかとなったという。
それは俺たちの命を救うのか。
それとも奪うのかー”
2006年ドイツ-オーストリア合作映画で、
ナチスが行った国家による紙幣偽造事件「ベルンハルト作戦」を描く実話。
偽造を強制されたユダヤ人技術者たちは、自分の命を
守るか、正義を貫くか、その苦悩と葛藤を、
強制収容所のなかで、この作戦棟は別世界。
卓球を楽しむ作戦棟の世界だが、外はガス室へと送られていく世界。
その異常な対比が、「生きる」ことの大切さというテーマを強烈に印象づける。
主人公の技術者サリーは、まったく英雄的でもなく、正義感に固まっているでもなく、
ただ本能的に行動しているかのようだ。
現代の北朝鮮製といわれる偽ドル札事件も、いつか真相が明らかにされるのだろう。