映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

それでもボクはやってない

【画像:38686.jpg】

  " 賞賛の嵐!! あなたの判決は!?



  裁判がこんななんて、全然知らなかった。

              (22才 女性)



  えっ?これって現実なの?

    ---だとしたら大問題だね。

              (NY州 弁護士)”

       <2月2日の新聞広告より>



痴漢冤罪事件を扱った本格的社会派映画だが、娯楽映画とみても最高の出来ばえ。必見の傑作である。

147分という長い上映時間も、次はどうなるのかという興味が持続して、

えっ!なるほどなるほど、最後は、うー〜ん、と唸ってしまう。

 

罪を認めれば略式起訴で、罰金を払ってすぐ釈放。

否認すれば、拘留され、起訴、裁判となる。しかもこの最初の拘留期間が3か月にも及び、その間仕事にも就けず、心理的負担や社会的制裁も受ける、という現実問題が、するどく提起される。



綿密な調査と徹底取材をして書き上げたという周防正行監督の脚本がいい。実にわかりやすく、丁寧に日本の裁判の仕組みを描く。

ここには有罪率99.9%という異常な数値と、「疑わしきは、罰せず」という刑法の鉄則は失われ、法律の審判であるという刑事裁判の問題点が浮かび上がる。