今日夕方は会社の同僚と一杯飲んでいたが、話題の映画「ブロークバック・マウンテン」を観た人がいて、「この映画のテーマにはとてもついていけなかった」という感想を述べていた。
だが、まってほしい。この映画は同性愛に共感できるかどうかといった話ではないのではないか。アン・リー監督という作家の、人間をみつめるやさしいまなざしを味わう映画なのだと思う。
「カーボーイの同性愛」というのは、テーマではなく題材にすぎない。
この映画を観ると、映画は監督のものだとつくづく思う。監督も目線がそのまま映像に表現されて、背景の美しい山々やあくまで青い空が主人公たちの心そのままに、純粋で繊細に描かれる。
また1963年と保守的な時代背景としたことが、いっそう痛ましいドラマにしている。
エンドロールには「He was a friend of mine」の歌が流れてラストの余韻もたっぷりで、いい映画だなーとおもわずうならせる作品であった。
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