映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

力道山 <日本人がいちばん力道山を知らない>

力道山をヒーローであると思いたいのなら、この映画は、観ないほうがいい。」

「日本人がいちばん力道山を知らない。」

この挑戦的な宣伝用ちらしに誘われて、映画「力道山」を観てきた。



すごい映画だ。

日本のヒーロー・力道山の映画を韓国が作ったのが、すごい。決してキワ物でない、力作である。

プロレス試合シーンが、すごい迫力である。シヤープ兄弟との格闘シーンにはただ驚くばかり。

力道山を演じたソル・ギョングがすごい。韓国映画史上傑作のひとつ「オアシス」(02年)では、体重を18キロ減量して演じたとおもったら、この映画では28キロ体重を増やし、格闘シーンも演技も大熱演で観るものを圧倒する。



映画は、朝鮮人差別を受け、大関昇進を果たせなかった力士時代、一転プロレスラー時代、そして赤坂で刺殺されるまでを、太平洋戦争・朝鮮戦争東京オリンピックの時代とともに描く。

朝鮮人であることを告白してはどうかと言われたとき、力道山は「俺は日本人でもなく、朝鮮人でもなく、世界人だ。」と言ったが、「孤独人」の一生であったと描いてみせる。



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