映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「インセプション」

クリストファー・ノーランは、私が大好きな監督。
何が”すごい”かというと、記憶、夢、人間心理を映画でしか表現できない映像でみせることだ。

監督最初の注目作「メメント」では、繰り返される記憶障害を、
続く「インソムニア」では、睡眠障害の警部と犯人の心理対決を、
プレステージ」では、瞬間移動する奇術師の苦悩を、
傑作「ダークナイト」では、善と悪の心の葛藤を、描く。
かつてないアイデア、複雑な心理描写の脚本、迫真の映像力等々、監督作品を観るたびに驚いてきた。

ヒッチコック監督と同じ、映像の魔術師なのだ。

そして、本作「インセプション」では、夢という潜在意識を、描く。
他人の夢の中に侵入し、潜在意識を操るというアイデアに、まず驚嘆。
こんな話の映画は、初めてだ。
夢の中に、また夢がでてきて、いったいどうなっているのか、

観客は常にサスペンス(宙ずり)状態。
この感覚が、この映画のダイゴミ。

1回観ただけでは消化不良かもしれないが、すべて理解できるような作りにはなっていないことも確か。

とにかく、潜在意識映像のノーラン・ワールドをたっぷり楽しんだ。