"オリジナル・ストーリー、キャストはノーネーム、 監督は新人、舞台は南アフリカ” この南アフリカ共和国のヨハネスブルグが舞台というところがミソ。 突如エイリアンの乗る宇宙船が到来。 実に新鮮なSF映画だ。 エイリアンの管理委託会社があるというのも面白い。 管理委託会社から追われる身となった主人公を助けてくれるのは、人間ではなくエイリアンだというのもなんとも皮肉で、滑稽。
貧困、スラム化、暴力と治安の悪さが懸念され、今年ワールドカップサッカーが開催されるヨハネスブルグ。
アパルトヘイトについては、すでに「インビクタス/負けざる者たち」で学習済み。
宇宙船は、一向に立ち去る気配を見せぬまま、エイリアンは「第9地区」の仮設住宅で隔離政策。
いまやスラム化し・・・
映画でしか味わえない魅力が満載である。
ドキュメンタリータッチの手持ちカメラが躍動し、エイリアンの造形やスラムの描写、暴力団との戦闘アクションなど、わくわくする。
そこが営利を目的にエイリアンの人体実験を行っていたりする。
スラムに竦む暴力団のボスが、無いものを欲しがる人間の欲をむきだしていた。