映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「第9地区」


  "オリジナル・ストーリー、キャストはノーネーム、

   監督は新人、舞台は南アフリカ

 

この南アフリカ共和国ヨハネスブルグが舞台というところがミソ。
貧困、スラム化、暴力と治安の悪さが懸念され、今年ワールドカップサッカーが開催されるヨハネスブルグ
アパルトヘイトについては、すでに「インビクタス/負けざる者たち」で学習済み。

 

突如エイリアンの乗る宇宙船が到来。
宇宙船は、一向に立ち去る気配を見せぬまま、エイリアンは「第9地区」の仮設住宅で隔離政策。
いまやスラム化し・・・

 

実に新鮮なSF映画だ。
映画でしか味わえない魅力が満載である。
ドキュメンタリータッチの手持ちカメラが躍動し、エイリアンの造形やスラムの描写、暴力団との戦闘アクションなど、わくわくする。

 

エイリアンの管理委託会社があるというのも面白い。
そこが営利を目的にエイリアンの人体実験を行っていたりする。
スラムに竦む暴力団のボスが、無いものを欲しがる人間の欲をむきだしていた。

管理委託会社から追われる身となった主人公を助けてくれるのは、人間ではなくエイリアンだというのもなんとも皮肉で、滑稽。