映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ」

  ”爆笑御礼申し上げます。
   尻をたたかれ続けて20年、
   「映画界の影武者」(女)、初告白。”

外国映画の字幕翻訳家といえば、昔のひとにはなつかしい清水俊二、著書も多い戸田奈津子が有名だ。
現役の字幕翻訳家太田直子は、 自らを「字幕屋」と呼ぶ。

字幕翻訳には字数制限がある。
これが字幕屋の腕の見せどころ。

俳優が喋っている時間内しか翻訳文を出せないから、「喋るセリフ1秒につき字幕は4文字」という原則となるそうだ。
従って、どうしてもセリフの言葉より文字は短くしなければならず、要約や意訳となることが多いという。

日本語字幕で最も有名な意訳といえば、
そう 「カサブランカ」(42年)で、ハンフリー・ボガードイングリッド・バーグマンに言った言葉

 「君の瞳に 乾杯!」(清水俊二訳)だろう。

実際のセリフは「Here's lookin' at you, kid!」。
確かに「瞳」なんてセリフは言っていないが、うるうる瞳のバーグマンの顔がアップの場面では、まさに名訳。

そのいかに短い言葉で伝えるかが商売の字幕屋がつけた本の題名が、なんと、
『字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ』(光文社新書。07.2.20.刊)という長い題名。
題名から人を食っているが、内容も爆笑もの。

ユーモアたっぷりに字幕翻訳の苦労話、気になる現代の日本語について叫ぶ、叫ぶ。

また、ブログの書き方が、ブロガーにも参考となること請け合い。