映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

アカデミー賞授賞式を観る

 

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第93回アカデミー賞授賞式中継をWOWOWで観た。

先月開催された第63回グラミー賞授賞式は、無観客とはいえ素晴らしいパフォーマンス、出演者たちのパワーやメッセージ力に圧倒されたので、今回アカデミー賞にも期待していたのだが・・

なんとも盛り上がりに欠けていて、残念だが期待は裏切られた。
事前制作ビデオにリモート受賞スピーチ。
会場でのパフォーマンスは、なし。
主演男優賞のアンソニー・ホプキンスはリモートスピーチも、なし。

新型コロナウイルスの影響で映画館から遠のき、受賞候補作品への関心が少なかったとはいえ、グラミー賞授賞式が良かっただけに残念な授賞式だった。

 

 

 

 

グラミー賞授賞式を観る

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音楽の祭典第63回グラミー賞授賞式中継をWOWOWで観た。
無観客での授賞式なので、正直どうなるか心配していたが、素晴らしいパフォーマンス舞台と、人種差別もぶっ飛ばすパワーやメッセージ力に圧倒された。

主要4部門を女性アーティストが制覇し、まさに女性パワー大炸裂。

ビヨンセは4部門で受賞し、女性アーティストとして歴代最多記録を更新した。
アーティストたちの憧れのひと、その立ち位置をあらためて知る。

昨年史上最年少で5冠を達成したビリー・アイリッシュが2年連続となる最優秀レコード賞を受賞。
受賞の驚きと他者を讃えるスピーチが良かった。

ライブパフォーマンスでは、カーディ・Bとメーガン・ジー・スタリオンの二人が挑発的なセクシャリティダンスを披露して度肝をぬかれた。

韓国歌手グループBTSは惜しくも受賞を逃したが、渡米できずに本国からミュージックビデオ出演して存在感を示していた。

社会混乱とコロナ禍に開催された今回のグラミー賞授賞式は、永く記憶に残ることだろう。

 

松竹映画の100年

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2020年に映画製作100周年を迎えた松竹。

「松竹映画」といえば、私には木下恵介監督と小津安二郎監督ふたりの作品がまず浮かぶ。

映画が最大の娯楽で毎年100本以上の映画を観ていた中学生時代に、
木下恵介監督の「喜びも悲しみも幾歳月」を公開時に観て感動し、以後監督作品は欠かさずリアルタイムで観てきた。
笛吹川」や「楢山節考」などの実験精神にも驚かされた。
高校時代に名画座で監督作品を探し続け「二十四の瞳」に、声高に叫ばぬ戦争映画の傑作とみた。

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小津安二郎監督は「彼岸花」を公開時に観て、ローアングルの構図画面や画面に向かって喋るバストショットなど監督の個性が新鮮だった。
以後ほぼ年1作の新作が待ち遠しかった。
それなので、「秋刀魚の味」公開の翌年に監督が亡くなったという報道にショックだった。

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WOWOWでは、2月15日から松竹100周年にふさわしい厳選作品10本が放映される。
日本映画初のオールカラー映画「カルメン故郷に帰る
世界映画史に残る小津安二郎監督の「東京物語
ギネス認定国民的映画シリーズ「男はつらいよ
世界のキタノ北野武監督第1作「その男、凶暴につき
松竹ヌーベルバーグの旗手・大島渚監督「御法度」など。

この機会に松竹映画の歴史をひもとき名作を味わいたい。

 

謹賀新年

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あけましておめでとうございます

2006年1月にブログ開設してから16年目となりました。
当初数年間は週2回投稿をめざし書き始めたのですが、昨年は月1回
と少なくなっています。

それでも、投稿を止めてしまうと過去の投稿記事とお別れしてしまう
ような寂しさがありますので、無理せず気ままに続けようと思っています。

引き続き今年もよろしくお願い申し上げます。

新型コロナが一日も早く収束して、ゆったりと映画鑑賞や芝居を楽しめるような平和な一年と願うばかりです。

                 令和3年元旦

 

2020 ベスト映画10本

コロナ禍で、もっぱら自宅でWOWOWやAmazonPrimeVideoでの鑑賞が多かった1年。
今年観た映画は226本。
古い映画再発見の1年でもあった。
なんとか選んだ今年新作映画のベストテン。

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第1位「パラサイト 半地下の家族」ポン・ジュノ監督
映画の持つあらゆる要素が巧みに散りばめられた傑作と言うほかない。

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第2位「ジョジョ・ラビット」タイカ・ワイティティ監督
笑いの裏には怒りが潜んでいるが、静かに感動的に終わるのだ。

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第3位「ラストレター」岩井俊二監督
監督の長編デビュー作「Love Letter」の余韻を今一度味わえた。

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第4位「mellow」今泉力哉監督
ありふれた世界をサラリと描く、この感性がたまらなく好きだ。

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第5位「リチャード・ジュエル」クリント・イーストウッド監督
近年”英雄とは?”を深く追及し続けるする90歳監督に脱帽。

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第6位「彼らは生きていた」ピーター・ジャクソン監督
第1次世界大戦その戦場の現場にいる、本物の兵士の声を聴く体感。

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第7位「1917 命をかけた伝令」サム・メンデス監督
伝令に走るという使命を描くのにノーカット技法がぴったりだった。

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第8位「his」今泉力哉監督
やさしさを全面テーマに打ち出すと、こんな映画になるという見本。

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第9位「劇場」行定勲監督
コロナ影響下で映画館とネットで同時公開という時代をもダブった。

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第10位「男はつらいよ お帰り 寅さん」山田洋次監督
まさかの50作目。多くのマドンナたちに再会して、ただただ感激。

 

TVアニメ版「鬼滅の刃」

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超ヒット快進撃中の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は、原作第7巻からのお話ということなので、原作第1巻から第7巻冒頭迄を描く
TVアニメ版(全26話)を観ておかねばならない。

そこで、動画配信Amazon Prime Videoで、まったく予備知識なきまま鑑賞。

第1話では、いきなり家族が鬼に襲われるというお話。
これって、「ゾンビ」とか「吸血鬼」のお話なの?
第2話では、鬼になってしまった妹を連れての旅、「子連れ狼」?
話が進み、どんなお話かと思っていたら、「鬼狩り」だった。
ふたりの供(写真下段のふたり)を連れての鬼狩りというならば、「桃太郎の鬼退治」か。

こんなふうに観ていたのだが、これが毎回面白い!
剣士と大正時代というアンマッチさも不思議感覚。

コロナ禍にあって、
”「できること」が増えるより、「楽しめること」が増えるのが、いい人生。”(斎藤茂太)という格言もあるので、
毎日楽しみが増えるように、毎日1話づつ観ていた。

これで、やっと劇場版が観れるぞ。でも映画館はまだ混雑らしい。

清純派の人気女優・芦川いづみ

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日活黄金時代を代表する女優、芦川いづみ
オールドファンには、なつかしいひと。
その清純な美しさで、和製オードリー・ヘプバーンとも言われて。

代表作は、
川島雄三監督「洲崎パラダイス赤信号」「幕末太陽傳
田坂具隆監督「乳母車」「陽のあたる坂道」
熊井啓監督「日本列島」

私が大学時代に試写会で観た「日本列島」。
国会議事堂をバックに力強く歩き続けるラストシーンが忘れられない。

日活映画の黄金時代は、石原裕次郎の登場で始まった。
1960年に裕次郎北原三枝と結婚して、三枝が女優業を引退したため芦川いづみとの共演が多くなった。
「あした晴れるか」「あいつと私」「青年の椅子」等々で人気上昇。
ちなみに、神保町シアター「恋する女優芦川いづみ」上映期間中の人気投票結果では、黒縁眼鏡姿で登場した「あした晴れるか」が第1位で、珍しいコミカルな面を見せていた。

1953年~1968年に100本を超える映画に出演するも、藤竜也と結婚して引退。
北原三枝と同様、引退後は一切メディアに登場していない。

YouTubeで動画検索すると、出演作品の名場面が観ることができる動画が最近増えている。
芦川いづみ再評価の兆しなのだろうか。
あの可憐で美しい姿を観れて、懐かしい声を聴けるだけで嬉しくなります。